やるべきことは変わらない
東大生が実際に学んでいる戦略思考の授業: 経営学は、生き残るための教養だ!
- 作者: 出口知史
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 単行本
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2007 年より東京大学工学部社会基盤学科(旧名は土木工学科)で行っている講義の解説内容をまとめたもの。
技術者として働く場合には、企業経営の理論なんて関係ないと思うかもしれません。
しかし、自分の所属する技術部門が会社の経営方針とどういった関わりをしているのか、いま自分がやっていることはその流れのなかで、どのように関わっていくのか、いくべきなのかを理解しながら日々働き続けることは、それを理解しないで働いているよりは、同じ時間を働いていても、得るべきものやできることが大きく変わっていくでしょう。
エンジニアの分際で、読み物としては面白いと思った。でも、中身をすっ飛ばして、はじめにと第一部の終わりと、あとがきを見ると、
経営学は、生き残るための教養だ!
会社の暴走を回避するために社員としてできることというのは、実態としてほとんどありません。
たとえ光が見えなくとも、やるべきことは変わらない。
中身で気になったところを3点だけ書き出すと、
経営者の目線が「短期化」している
報酬の仕組みが毎期の利益に紐付いていることが多いので、株主が誰であろうと、毎期きちんとリターンを出そうという意思が強くなります。その弊害として、必要以上のリストラを行ってしまったり、長期にわたるプラン、研究開発や設備投資についての優先順位が下がってしまったりするリスクはあります。
評価自体よりも納得できる評価かどうか
著者の経験則ですが、こうした状態の時に最もストレスを感じる状態は、その理由が理不尽だと感じられる状態よりも、(判断の背景が)何なのかさっぱりわからない状態のほうです。
その企業の資源は何か
キーマンの馬力というか、気合いと根性と睡眠時間の犠牲のうえに成り立っているのではないかと思います。