「あるべき姿」を構想する
- 作者: 齋藤嘉則
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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この一文がすべてを言い当てているように思える。
日本企業がリストラ後の新たな「あるべき姿」を描けず、成長に行き詰まっている原因の1つは、このオペレーション的問題発見と戦略的問題発見の大きな違いに気づいていないことにある。
ビジネス・リーダー
すでに発生し、顕在化している現状の問題ばかりを見つめて、対処療法的な問題解決を図るようなリーダーでは、これからの企業をリードすることは難しい。
企業の将来こうありたいという「あるべき姿」を大胆に描き、「現状」との「ギャップ」を問題としてとらえて解決を図っていくことは、ビジネス・リーダーにしかできないことである。
ビジネス・リーダーにしかできない。つまり、経営者の起業家としての超人的な努力が必要?かといっても、それだけでは十分ではない。特に以下の記述はこれと対照的である。
問題解決リーダーシップ
だれか1人がリーダーで他の人は実行する人、というのではない。全員が「問題発見の4P」のフレームワーク、Purpose(目的軸), Perspective(空間軸), Position(立場軸), Period(時間軸)の4つのPで現実をとらえ、あるべき姿を構想し、問題解決に取り組まなければならないのだ。
現実を客観的にかつフェアに見つめる
現実にきちんと対峙・直視せず、突然ジャンプして「あるべき姿」を提示し、よく考えないままその「あるべき姿」に猛進するケースが少しずつ増えている。
これは「変革が重要だ」「過去にとらわれてはいけない」「従来の枠組みを壊さなければならない」ということの歪んだ姿である。
こういう不透明な時、過去の延長線上から脱却しなくてはならない時だからこそ、逆に現実を、そして過去を、客観的に、そしてフェアに、大きなモレがないように全体観をもってとらえることが大切である。
現実を客観的に、そしてフェアに、大きなモレがないように全体観をもってとらえることが大切であるが、その現実に対処療法的な問題解決を図るのではなく、そこから企業の将来こうありたいという「あるべき姿」を大胆に描き、「現状」との「ギャップ」を問題としてとらえて解決を図っていくビジネス・リーダーが必要である。
さらには、だれか1人がリーダーで他の人は実行する人、というのではなく全員が、あるべき姿を構想し、問題解決に取り組まなければならない。