人間の分際
- 作者: 曽野綾子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/07/29
- メディア: 新書
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人間の分際で、
「やればできる」というのは、とんでもない思い上がり。
エンジニアの分際で、 ものを書くだとか、経営を学ぶだとか..
信仰というものは、神と人間との関係、何より「人間の分際」を見極めるものだから、無理が来ないということなのである。すべての人には、努力によってその人の可能性の分野を広げることができる部分も確かにあるが、その程度は限られている。「為せば成る」などというのはひどい思い上がりである。
信仰による、無理のない生き方。
でも、ひとつ興味深いのは以下の記述。 宗教によらない信仰とでもいうのか、
裏表のない人間という言葉は、本来は宗教に起因した美学から出たものである。誰に見られなくとも、神を常に意識し、神に向かって、強烈に自分自身を晒し続けて生きることだけが、本当に裏表のない人間ということである。 心と言葉、心と行為とがまったく同じ単純人間など美しくもなければ、偉大でもない。
著者が過去に出版した 76 の著作を抜粋、加筆修正して、ひとつの読み物に構成したもの。
第7章は、ただただ悲しい。